変法を止める必要はないという虔。
公子虔は人前に出れなくなり籠ってしまいます。
怒りの余りそもそもの原因である太子嬴駟を斬り殺そうとする孝公。
事後初めて再会する孝公と衛鞅。
この後、孝公と衛鞅は固い絆と信頼で強力に改革を推し進めたがあまりの心労に孝公は早逝。
中国の歴史では君主が変われば先代の功臣が大きな難に見舞われるのはお決まりのパターン。
周りが自分を恨む者ばかりで庇ってくれる後ろ盾を亡くした商鞅には悲劇的な最後が待っていました。
改革というものがいかに既得権者の反発により困難を極めるか。
そして大きな犠牲を伴うのか、改めて思い知らされる。
ちなみに同じく悲劇的な作品の「燃ゆる呉越」と今作は同じ監督によるものです。
大秦帝国第二部:縦横
絵作りは前作同様彩度が低く陰鬱な画ですが演出が若干コミカルで軽い感じになっています。
前作の最後で孝公と商鞅が死に今作は跡継ぎである嬴駟が即位するところから始まります。
秦の君主として初めて王を称する事になります。
前作は主君=孝公と臣下=商鞅の物語でしたが、
今作は主君=恵文王と臣下=張儀の物語になります。
この張儀というのが舌先三寸で相手を言いくるめるのが得意な事から
「いかに弁舌で敵国を騙すか?」
というところが見どころになってきます。
主役級の二人の演技力が素晴らしいです。
恵文王役の富大龍(フー・ダーロン)は「隋唐演義」で楊広(後の煬帝)を怪演していますが、チョイ悪な男が凄く似合います。
張儀役の喩恩泰(ユー・エンタイ)は日本人にもいてそうな愛着のある顔で頼りなげですが弁舌鮮やかでそのギャップがいいですね。
その他にも魏王役の李立群(リー・リーチュン)や公孫衍(犀首)役の姚櫓(ヤオ・ルー)など芸達者が多いです。
音楽も良いですね。
壮大なオープニング曲が中国の歴史ドラマを色々見てますが一番好きです。
恵文王の長子(武王)が跡を継ぎますがすぐに死んでしまい、弟の昭襄王が即位するところでこのシリーズは終わりです。
昭襄王~孝文王~荘襄王~始皇帝なのでまだ道のりは長いです。
本作で出てくる有名なエピソードと故事
疑事無功
合従連衡
(追記:2016/9/20)
中国本土では第三部が始まってるみたいです。
http://plus.lastscene.com/archives/9214