(追記26)
実は珍児結構好きでした。
素敵な富察容音と極悪キャラ爾晴。
決して結ばれない二人。
この人のエピソードは蛇足のような気もします・・
クライマックスの一場面。
趙雲~ホンタイジ~乾隆帝とステップアップ。
(追記25)
全体を通しての総評です。
あらゆる点において素晴らしい作品であることは間違いありません。
脚本・演技・セット・美術・衣装・音楽・・どれも文句のつけようがありません。
特に前半は毎話必ず面白く楽しめてパーフェクトと言える出来栄え。
今まで見た中国古装劇の中でもトータルの出来栄えではトップクラスです。
本来、同時期に制作・放送された同じ題材と登場人物の「如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~」と比較したかったのですが、こちらはまだ第1話しか見てないので現状なんとも言えませんが後宮モノの最高峰である「宮廷の諍い女」と比べてみます。
セット・美術・衣装・音楽はエイラクの方が上です。
しかしこれは「宮廷の諍い女」がかなり昔の作品なので割り引いて考える必要があります。
美女とイケメンの数でもエイラク圧勝。
しかし、作品全体通しての深み・凄みではやはり「宮廷の諍い女」の方が上だと思うのです。
エイラクは于正制作という事もあり俳優陣は有名どころを大量に投入。
従来、後宮モノと言えばドロドロとした陰謀だらけで主人公が一方的に痛めつけられるのがお決まりですが本作はやられたらすぐやり返すので見ている方としてはストレスも溜まらずスカッとします。
そして乾隆帝と李玉のコミカルなシーンなどで雰囲気が重くならないように配慮されています。
このエンタメ要素重視の演出方針が作品を軽くしてしまったきらいがあります。
正直「宮廷の諍い女」は陰鬱ですし、ずっと重苦しい話を我慢して見続けなければなりません。イケメンはいないし美女もほとんどいない。
でも退屈の中に複雑な利害関係とそれに基づく伏線を張り巡らせていき終盤それらを一気に回収するところに神劇と称される凄みを感じるのです。
上述の通り各比較ポイントで勝ってる数は瓔珞の方が上ですが「傑作はどちらか?」と訊かれたら「宮廷の諍い女」と答えるでしょう。
勿論「エイラク」にも伏線とその回収で上手くできてる所は多々あるのですが割と予測可能でちょっと浅い気がします。
何より主人公の敵がまるでベルトコンベアで運ばれるように順番に退場していくストーリー展開は確かにストレスフリーではありますがその分終盤での感動も薄れます。
そして途中でキャラ変する人物が数名いましたがちょっと極端過ぎてこれも違和感の要因の1つ。
「一人の女に二人の男」はドラマの王道ですが、主人公瓔珞の優先順位が常に復讐が一番というところも複雑なところです。
実は「宮廷の諍い女」も終盤は復讐がメインテーマとなりますがこちらは本当に愛した男の為の復讐劇です。一方本作はエイラクの姉と富察皇后の為の敵討ちであって愛する男・傅恒の為ではありません。
それにエイラクはあまりにも傅恒に対して冷淡過ぎました。そして乾隆帝に対しては恐らく真の愛情は抱いてないでしょう。この辺が感情移入しづらい点ではあります。
あと権力基盤を維持していくための政治と後宮の関わりについても「宮廷の諍い女」は丁寧に描いてるのに対して本作は上辺だけに留まっているところもちょっと浅く感じるところです。
「宮廷の諍い女」はシリアスな本格派、「エイラク」はカジュアルで気楽な作品と言えるでしょう。
でも本作の俳優陣は全員素晴らしかったです。
個人的には爾晴や袁春望みたいな仰々しい演技よりは二人の皇后の演技が好きです。
乾隆帝役のニエ・ユエン(聶遠)は「皇后の記」でホンタイジをやった時は全然良いとは思わなかったんですが今回はシリアスとコミカルを自然に使い分けて最高でした。
それとツボだったのが李玉。
しょっちゅう乾隆帝に尻を蹴られたり大変でしたが繊細な表情やセリフ回し(配音は本人)が素晴らしかった。
鼻に抜けるように「皇上~」と言うところなんか真似したくなりました。
・・と色々書きましたが大変面白い作品であることは間違いありません。
歴代TOP10入りは確実。TOP5に入るかどうか位の位置づけです。
(追記24)
第70話最終回まで見ました。
竜頭蛇尾とか言って悪かった。
最後の5話は非常によく出来ていました。
ずっとラスボスは輝発那拉皇后と思わせてきましたが、終盤これじゃまるで袁春望がラスボスじゃんというような展開。
でも瓔珞にとっての最後の敵は忘れかけていた和親王・弘昼。
なんと言っても姉の敵ですからね。
辛者庫パートは後の伏線でしたし袁春望役の王茂蕾は毎度のことながらゲス男を怪演。
傅恒の純粋な愛に心を打たれます・・
瓔珞は輝発那拉皇后を助けますが昔の恩義を忘れなかったんですね。
恩も仇も必ず返すのが中国の伝統。韓信も范雎も出世して恩仇ともにきっちり返しましたもんね。
謀反のくだりで再三ドルゴンの名前が出てきました。
「宮廷の泪・山河の恋」や「皇后の記」を見ればわかりますが清朝2代皇帝のホンタイジとその弟のドルゴンの関係を示唆しています。
ホンタイジ亡き後ドルゴンは摂政王となり順治帝は傀儡と化してしまったんですよね。清朝のドラマは時系列に見ればより理解が深まります。
皇貴妃になりました。
また後ほど総評を書きます。
(追記23)
第66話まで見ました。
于正Pさんは謎解き要素を入れるのが好きみたいで「則天武后〜美しき謀りの妃(美人天下)」の時もミステリー調でしたが今回もなかなか凝ってます。
ところで「宮廷女官 若曦」などもそうですが第十○皇子とか言われてもなかなか判別が付きません。字も皆「永○」と似てますし。
今回容疑者になっている第四皇子・永珹は初代嘉嬪から取り上げられて輝発那拉皇后が育てた子。
銃を撃つ際の火薬爆発で足を負傷した被害者第五皇子・永琪は愉貴人が生んで瓔珞が育てた子。
第十二皇子・永璂は輝発那拉皇后の実子。
第十五皇子・永琰は瓔珞の実子。
・・ややこしい!
第四皇子の配下の者が銃保管庫に出入りしてた。
珍児が第四皇子に毒入り団子を食べさせようとしたが直前に止めて打ち明ける。
ところが珍児は風邪で寝込んでいたから第四皇子の元に行くのは有り得ない。
袁春望が絡んでるのは間違いないのですが100%彼の筋書き通りなのかは不明。
第五皇子・永琪は火薬暴発で負傷。
第四皇子・永珹は珍児により毒殺未遂。
「誰が得をするか?」で考えると残った太子候補の第十二皇子・永璂の実母である輝発那拉皇后が一番疑わしい。しかし本人は何も知らない。
お互いに相手が黒幕だと思っている輝発那拉皇后と第四皇子、及び真の黒幕・袁春望。
袁春望もこんな露骨なやり方では却って主人である輝発那拉皇后に損害を与えてると思うのですが・・その事自体計算の内??
(追記22)
第59話まで見ました。
もうすっかり自分の中では本作は竜頭蛇尾な感じです。
超完璧な妃嬪が現れた!と登場前から思いっきりハードルを上げられた順嬪。
演じてるのはジェニー・チャン(張嘉倪)。個人的には「傾城の雪」での主人公の侍女・江佩芸役以来久々に見ました。
富察皇后が退場して以降はどうも話がパッとしません。
爾晴もいなくなりいよいよ輝発那拉皇后との最終対決か?と期待してたら共通の敵が登場したので共闘しましょうとか腰砕け感が否めません。