(追記22)
最終回まで見て全体の感想です。
見る前はどうせアイドル俳優のB級ラブ史劇でしょ?と全く期待せず、つまらなければ途中で止めるつもりで見始めましたが、最初から凄く面白かったです。
この作品、本当に脚本が素晴らしかった。
大抵のラブ史劇は歴史上の人物を登場させる割には史実完全無視だったりするのですが、本作は史実と齟齬を起こさないように上手く事実という布地にフィクションを編み込んでいく形式でこの時代の有名なエピソードはちゃんと網羅しながらオリジナルストーリーを展開しています。
特に本格ミステリー張りの伏線の散りばめ方と最終盤での回収は特筆モノでした。
中盤辺りまではコメディタッチの演出で気軽に楽しく見れて、中弛みする事もなかった。
終盤からは今までのコミカルな演出から打って変わっての悲劇的展開。本当に秀逸な脚本でした。
後は何と言っても易歓を演じたヤン・ズーですね。
自分はこの女優さんを見たのは今作が初めてでしたが、自然で伸び伸びとした演技でコミカルなシーンとシリアスのシーンも全く違和感なく完璧に演じてました。
康煕帝役の秦俊傑も熱のこもった迫真の演技でしたし、脇役陣は他のドラマでちょくちょく見かける人も多くて皆レベル高かったです。
流石に全62話はちょっと長かったので45話とかせめて50話で収めてくれたらほぼ満点ですね。
自分の今まで見た中国ドラマの中ではベスト5に入りそうな位、素晴らしかったです。
(追記21)
第62話最終回まで見ました。
最後のシーケンスで太皇太后が皇帝に語りかける場面。この辺は清の歴史に詳しいか清朝ドラマを沢山見てる人でないと分かりづらいかもしれません。恐らく中国人にとっては説明不要の常識なのでしょう。
太皇太后が康煕帝に言います。「お前の祖父は海蘭珠の危篤を知り戦場から昼夜を問わず馬を走らせ帰京し、心労が祟って亡くなった」と。
清朝ドラマ見た事ない人は何の事か分からないでしょう。自分はたまたま「皇后の記」で祖父…つまりホンタイジが海蘭珠が死の床にあると知り急遽、戦場から戻るシーンを見たところなのですぐに理解できました。
今回は歴史からの引用も多かったですね。
康煕帝がジケンを開放する際に諸葛亮の有名な七縦七禽に擬えたり、大局が読めないと項羽みたいになると言ってみたり。
最後の結末の付け方は史実と齟齬ができないようにするにはやむを得ないでしょうね。
(追記20)
第59話まで見ました。
イッキに色んな謎が解明しました。
気がつきませんでしたが大量の伏線が敷かれていたのがわかってびっくり!
本格ミステリー張りの伏線の数ですね。
あと、あの苦労した銅箱の件がなかったことになっていて文句を書こうと思ったらギリギリになってまた復活。
それにしてもあいつは胡散臭い野郎だと思っていたのですがやはりねえ…
(追記19)
第54話まで見ました。
いよいよ大詰め。
流石の康煕帝も李兄妹の正体を疑いから確信に変えざるを得なくなってきました。
太皇太后は康煕帝の祖母ですからホンタイジの側室ですね。「皇后の記」や「宮廷の泪・山河の恋」における主人公ユアル(孝荘文皇后)の事です。
(追記18)
第50話まで見ました。
いよいよ残り少なくなってきましたが相変わらず凝った脚本で感心しきりです。高等なミステリーというかスパイモノというか細かい伏線が破綻しないように考え抜かれています。
話の方はもう李兄妹(忘れてましたが兄ジケンの方は本当は李姓じゃなくて朱ですよね、明は朱元璋が建てた王朝ですので)の事を全員が疑ってる状態でかなりヤバい状況です。
どう考えても明の連中には悲劇的結末が待ち構えていそうです。相手は中国史上最高の名君康煕帝ですし。
(追記17)
第48話まで見ました。
恐らく時代背景を知らない日本人には難しい話になってきているかと思います。
当時中国は清という国でこの清というのは漢民族の国ではなく女真族という北方民族による征服王朝なのです。女真族の国家は清の前は金と号していました。
清の前の中国は明でこれは漢民族の国です。その前は元でこれはモンゴル民族による征服王朝。さらに前は宋でこれは漢民族の国だったのですが北部の領土を金に奪われていました。
…こういう一連の流れは当然中国人は知ってるので解説なしで大丈夫なのですが、日本人には難しいかもしれません。
そして本作で度々出てくる呉三桂というのは元々は明の将軍だったのが清に寝返ったのです。この時寝返った相手が清朝のドラマでお馴染みのドルゴンでした。
「皇后の記」や「宮廷の泪・山河の恋」に出てくるのは清朝二代皇帝のホンタイジと彼の弟で将軍のドルゴン。
本作の康煕帝はホンタイジの孫で清朝四代皇帝です。
康煕帝にとってオボイは自分の父や祖父の代の忠臣でしたがあまりにも巨大な権力を持ち過ぎた。
これは呉三桂も同じで康煕帝にしてみればこの二人がいる限り自分は本当の皇帝とは言えない…そういう苦悩がこのドラマの脚本では上手く活かされています。
ドラマ自体は六師匠が呉三桂の密偵だと発覚。明珠谷は流れ上仕方なく呉三桂と同盟を結んでいますが、六師匠は康煕帝に売り渡す事に。
当然ながら李兄妹は明の残党だとバラされてしまいます。
この辺りソンゴトゥと皇后は完全に李兄妹は真っ黒だと確信したようですが康煕帝は疑いつつもまだ信用してる振りをしています。
こういった複雑な構図はなかなかスリリングです。
単なる正義対悪者みたいな二分論ではないところが先を読めなくしています。
中国ドラマでここまで複雑な設定を上手く活かした脚本は他は「宮廷の諍い女」位でしょうか?こちらも清朝が舞台でちょうど康煕帝の次の雍正帝の御代の話ですが、皇帝の権力基盤が弱いというのがドラマの設定に活かされているのは同じです。
(追記16)
第45話まで見ました。
明珠谷に呉三桂のみならずオボイの密偵まで潜んでいました。もうガバガバですね。
密偵1が密偵2を殺害したトリックは某古典ミステリー有名作品から借用。
合計3人も裏切り者が紛れ込んでいたなんてやはり明の連中は間抜け揃いですね。
時代的に清に恨みを持ってる人だけじゃなく明に仇を抱えてる人も多いと言う事ですね。
(追記15)
第41話まで見ました。
巡察から帰京して少し落ち着いた流れになってきましたね。
(追記14)
第39話まで見ました。
銅箱を開けるのに必要な3本の鍵のうち呉応麒が運んでた1本は誰も本物の在り処を知らないみたいですね。一体どうなってるんでしょう?
(追記13)
第38話まで見ました。
この太皇太后のおばあちゃん、流石なかなかのやり手ですね。
政治は綺麗事だけでは済まないと改めて教えられました。
それにしても今並行して見てる中国ドラマの中には酷い脚本のものもあるのですが、それらと比べると本作の秀逸さがわかります。本当によく練られてます。
あと康煕帝を褒めた後、ジケンと目があって気まずい顔をする易歓の演技は毎度の事ですがいいですね。
(追記12)
第37話まで見ました。
本当によく出来た脚本で感心します。
設定が凝ってるし話数長いですけど中弛みもなく毎回楽しいです。
あと史実とラブストーリーのバランスも絶妙です。
恋愛模様がメインで史実はほんの付け足し程度のドラマが多い中で反清復明の様子もよく伝わってきますし、何故康煕帝が名君となり得たかというところも説得力を持って訴え掛けられます。