(まとめ)
本作の他の人の感想を見ていると「三国志ドラマはこれが初めて」という人が結構多くいました。
再三書きましたが
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本作は三国志ではありません。
邦題の「三国志 Secret of Three Kingdoms」も非常に紛らわしいタイトルで三国志ドラマの集大成といえる「三国志 Three Kingdoms」と混同されてしまいそうです。
本作は三国志の二次創作でありIF(もし~だったら)ストーリーです。
三国(魏呉蜀)の内、魏しか扱わず、しかも登場人物も非常に限定的です。
中国では三国志のストーリーを知らない人はいないので正統を知った上でのフィクションとして楽しむ事が出来ます。
日本でも三国志の人気は高いので三国志のあらすじを熟知してる人にとっては分かった上で観れるでしょう。
つまり正解を知ってる人向けですので説明を省略してるところがほとんどです。
ですので三国志が全く初めての人が観ると理解しづらい箇所が多いと思います。
もし可能であるならば
「三国志 Three Kingdoms」
「曹操」
の2作品を本作より先に観ることをオススメします。
とは言うものの、この作品前半の皇帝すり替えから郭嘉と司馬懿の頭脳戦に関しては非常によく出来ていたと思います。
伏寿役のレジーナ・ワン(万茜)の演技は素晴らしかったですし、狂気じみた曹丕も良かった。
ですが郭嘉が死んで皇帝の正体がバレて以降は皇帝と司馬懿の仲違いが中心になり、皇后が自害した後はあまり見どころがなくなってしまいました。
全体としての評価としては郭嘉が死ぬまでは80点位。それ以降は40点位ですかね。
ここ最近ハズレのドラマばかり見てたのでそれらと比べたら結構楽しめた方ではあります。
満寵がこんなに活躍する三国志ドラマは初めてみました。
本作は小説が原作ですが脚本を担当した人が同じ「三国志〜司馬懿 軍師連盟〜」も気になります。
(第54話最終回まで)
第54話最終回まで見ました。
曹操が死んだ後はやっつけ仕事のように単に史実をなぞるだけの展開。
皇帝の座を曹丕に禅譲。
山陽公になった劉平は伏寿と再会。
文帝です。
予想通りの着地。
この二人に関してはラブ史劇風にハッピーエンドにしたかったみたいですね。
後の歴史に関してはテロップとナレーションで解説して終わり。
(第52話まで)
第52話まで見ました。
皇后は父親に連座して処刑・・
楊修と荀彧は死ぬことになりましたが全て司馬懿の謀。
司馬懿の意図を汲んで一芝居打ったと皇帝は言いますが、そこまで利口なら今日の事態を招いてないはずで・・
いかにも都合の良い台詞ですね、これ。
後世の結末が分かってるから言えるような言葉で違和感。
史実に則り曹節が皇后に。
あら生きてた・・
「24」でもジャック・バウアーの死の偽装とかありましたけど、こういう設定は嫌いです。
(第48話まで)
第48話まで見ました。
曹操暗殺の為の宴が開かれました。
流しそうめんのように杯を流します。
三国志のドラマでは定番ですが必ず曹操の短歌行が出てきますね。
曹操を襲う刺客が曹丕を傷つけ逃亡。
曹仁は刺客が唐姫だと決めつけ宮中に乱入。
皆の面前で衣を剥がした為、唐姫は自害。
唐姫については史実で分かっている事が少ない為こういう創作では利用しやすい人物。
実際の刺客だった徐福は徐庶として三国志ではお馴染みのキャラクターなので曹操を暗殺しようとする人物として用いるのはちょっと違和感がありますね。
今まで何度も怒りながらも劉平を見捨てなかった司馬懿も流石に決別することに。
皇帝に愛想を尽かすのは分かるのですが、だからといってこの状況で曹丕に仕えるというのもちょっと不可解です。
司馬懿の気持ちの変遷に関しては納得いき難いものの、曹丕と司馬懿の関係自体はこれで史実に合ってきました。
最後曹丕が咳き込むのも「三国志 Three Kingdoms」見た人ならすぐにピンとくる伏線。
(第46話まで)
第46話まで見ました。
とうとう曹操にまでバレました。
このドラマの中核となるテーマは正にこの一言に尽きますね。
日本史で置き換えて言えば平清盛が源頼朝を助命したようなもの。
余計な情けが身を滅ぼす事に繋がるのは古今東西変わりません。
結局愚かな皇帝(偽物だけど)が情に溺れて敵の命まで救ったが為に最愛の人を死なせる羽目になるのです。
本作冒頭から思ってたんですけど、このアホ皇帝の間抜け面はそういう顔の俳優をキャスティングしたのか演出なのかどちらなんでしょうね?
最初からずっと見ていてイライラするのですがそういう役どころなんでしょうし。
ところで漢を興した劉邦には名将・韓信や軍師・張良、陳平など直属の有能の配下がいましたが、400年も続く中でそのような直接的に頼る事のできる腹心がいなくなった事が漢の衰退を招いたと思うんですよね。
空箱への布石・・
(第44話まで)
第44話まで見ました。
史実通りのタイミングで郭嘉は死にました。
とうとう全部バレた。
これをネタに曹節を皇后にすることを認めさせるんでしょうね。
(第41話まで)
第41話まで見ました。
鮮卑族との戦いを前にやっと替え玉皇帝と皇后は結ばれます。
ガッツリディープキスなので俳優・女優の配偶者の方は見たら嫉妬しそうですね。
中国時代劇の戦闘シーンは日本の大河ドラマなんか比較にならない位迫力があります。
お馬さんに演技はできないので大量に殺してるんでしょうけど・・
実際に相当数怪我人も出そうなシーンばかりです。
こういうのを観ると中国凄いと思います。
アメリカの作品でこういうシーンを見たら即座にVFXだと思うんですが中国の場合はリアルに人を使った方が安上がりでしょうしね。
楊平・司馬懿・曹丕の関係で言えば納得がいき難い箇所がいくつもあるのですが・・
曹丕と司馬懿はお互いに関して知っている事・相手に知られていると了解してる事・相手にバレているのに未だ気付いて無い事があり、その差異が今後の戦略に大きく影響するはずです。
この辺が本格ミステリーのようにちゃんとフェアプレイで守られていれば知的なドラマとしてもかなり評価できると思うのですが若干筋立てにミスやご都合主義もあるのでちょっと微妙なところではあります。
非常に大胆な独自設定を入れつつ要所は史実通りというアクロバティックなストーリーです。
司馬懿による曹家の子女皆殺しの企みは思い切った設定です。
そりゃ確かに後々にはそういう事になるんですけど、こんな早い段階でそういう思いを抱いて曹丕にこの後仕えれるのかと思いますよね。
えらい言われよう・・
はい、フラグが立ちました。
(第37話まで)
第37話まで見ました。
本作は三国志のIFストーリーで史実に齟齬がない範囲でフィクションを織り込んでいますが・・
この辺の組み立て方は非常に巧みだなと感心します。
作中の楊平(羲和)(劉平)(偽皇帝)(劉協の弟)にはいつもイライラさせらます。
おそらく皇后もイライラしてるので感情移入の対象が皇后になります。
だから見ていて楊平に同情できず酷い目に遭えばいいとすら思ってしまいます。
全く気づきませんでしたが曹操役の人は謝君豪さん。
「月に咲く花の如く」で沈四海役だった人です。
「名家の恋衣」ではヒロインの父親役。
眉毛と髭を変えるとこんなに別人になるんですね。