2020最新版!中国歴史ドラマを10年見てオススメの作品
PART8からの続きです。
歴史の流れを学べるドラマ
中国ドラマを見る切っ掛けは「三国志 Three Kingdoms」だったのですが、その後同じスタッフで多くのキャストが重複する「項羽と劉邦 King’s War」というドラマを観ました。
すると秦~漢~三国~晋という一連の歴史の流れがよく理解できるようになります。
やはり教科書や書籍などの文章で読むより実際に歴史上の人物がどういう思いでその行動を決断したのか?など心理面がよりリアルに読み取れるんですよね。
中国歴史ドラマを見始めた当初はバラバラだったピースが隣接する時代のドラマを見る事により繋がって歴史の流れが理解できる、そういうメリットがありました。
そこで今回は全く別個の独立したドラマですが続けて見ると歴史の流れが分かる3本を紹介します。
独孤伽羅~皇后の願い~
先程、秦~漢~三国~晋という流れの話をしましたが、その後中国は五胡十六国時代という国家が乱立する混乱の時代に突入します。
それは南北朝時代へと収斂していくのですが本ドラマはその南北朝時代のお話です。
中心になるのは3姉妹なのですが、一応主人公は一番下の伽羅となっています。
紆余曲折あって彼女と結婚するのが次の王朝である隋を建てた楊堅。
ドラマ的な見どころとしては3姉妹の真ん中、曼陀役のリー・イーシャオ(李依暁)の怪演ですね。
自分だけ身分が低い母親の娘ということで姉と妹を妬み恨み色々と嫌がらせをするところが非常に楽しいです。
彼女は前述の「項羽と劉邦 King’s War」では項羽の愛人である虞美人を演じていましたがこの時は清楚な女性だったのが本作では真逆の破天荒なキャラクターを熱演しています。
そして史実的に言えば曼陀の孫が次の次の王朝、唐の創始者となるのです。
隋唐演義 ~集いし46人の英雄と滅びゆく帝国~
独孤伽羅では楊堅が隋を建てたところで話は終わります。
日本人なら遣隋使・遣唐使で隋と唐の名前はよく知ってると思いますがそれらの国がどのような経緯で建てられたかは歴史が好きな人以外はなかなかご存知ないかもしれません。
本作では南朝の最後の生き残り陳を隋が滅ぼすところから始まります。
このドラマの構成としては2つのパートが交互に切り替わりながら進行します。
1つは隋王朝パート。
こちらは皇帝楊堅の次男である楊広(後の煬帝)が着々と権力奪取を画策していきます。
独孤伽羅も出てくるので前のドラマを観ておいた方がより感慨深く視聴できます。
2つ目のパートが本作の主人公である秦瓊が様々な英雄と出会い、やがて隋を倒す事になります。
その中には唐の二代皇帝になる李世民も含まれています。
こちら側のパートは物語の作りが「水滸伝 All Men Are Brothers」にそっくり。
実は本作は2年前に「水滸伝 All Men Are Brothers」を作ったスタッフで制作されているのです。
若干キャストも被っています。
隋パートは大秦帝国 縦横で恵文王を演じたフー・ダーロン(富大龍)のエキセントリックな演技が見もの。
秦瓊パートは水滸伝のようにどんどん変な仲間が増えていくところが面白いです。
このドラマはある意味一粒で2度美味しいお得なドラマと言えますね。
武則天-The Empress-
このドラマ、凄いお金が掛かっています。56億円だそうです。
1000人のスタッフ、1000のロケ地、500のセット、3000枚の衣装だそうです。
主役はファン・ビンビン(范冰冰)。
脱税騒ぎで心配されましたが無事復帰したみたいです。
全82話なので見るのにちょっと覚悟が要ります。
このドラマではいきなり李世民が皇帝として登場するので前のドラマの終わりからはちょっと間隔が開いています。
でも玄武門の変を思い出し苦悩する太宗が描かれているので空白は埋められるようになっています。
さて本作、ファン・ビンビンが特殊メイクで少女から老婆になるまで一人で演じきっています。
話的にはちょっと「このシーン要る?」というのが結構あってちょっと冗長に感じてしまいます。
口の悪い人には「ファン・ビンビンのPV」と言われる始末。
確かに余分なパートが結構あるのですがそれでもこれだけの大作なので観て後悔はしないと思います。
こんなに何もかもが豪華なドラマは日本では絶対に無理ですからね。
日本はおろかこんな規模で作れるのは中国だけでしょう。
この3本を続けて見ると隋唐の歴史がよく理解できるのではないでしょうか?
PART10に続く・・・