2020最新版!中国歴史ドラマを10年見てオススメの作品
PART2からの続きです。
宮廷の諍い女
10年に渡り数多くの中国古装劇を観てきましたが「三国志 Three Kingdoms」と「宮廷の諍い女」のTOP2は変わりそうにないですね。
それ位圧倒的な作品です。
本作女性が多く出てきますが私が美人だと思うのは沈眉荘だけ。
そういう意味では「愛でる目的」では本作は最下位でしょうね。
女性の視聴者は雍正帝がおっさんなので嫌という声が多かったですね。
このおっさんは「三国志 Three Kingdoms」で曹操を演じたチェン・ジェンビン(陳建斌)さん。
こんな大傑作2作品に主役で出演できたらもういつ死んでも惜しくないですね。
さて後宮モノと言えば皇帝の寵妃がお互いに足の引っ張り合い、毒の飲ませ合い、誰かが妊娠したら堕胎薬を飲ませるとか陰鬱でドロドロとした内容なのがお決まりのパターン。
本作は原作では架空の王朝だったのがドラマ化にあたり清朝の雍正帝の時代として脚本が書かれています。
このドラマ、後宮モノの特徴は勿論含有してるのですが、それだけではこんな高評価には成り得ません。
上述の通りの単なるドロドロだけの話なら最後まで観ません。全76話もあるのですから。
まずこのドラマのポイントを挙げていきます。
・当時の雍正帝の権力基盤があまり強くなく有力者の子女を後宮に迎えていた。
・つまりやりたい放題の寵妃がいたとしても排除できなかった。
・雍正帝の母親が権力強化や次世代への継承も見据えて暗躍していた。
・後宮の女性達の利害関係が複雑で離合集散する。
正直このドラマ表面的なドロドロの裏で様々な伏線が敷かれており1回の視聴で全てを理解するのは不可能。
当時の歴史も学びながら何度も繰り返し見返して初めて理解できるようになっています。
ですから見る者の知的水準によって評価が違ってくるでしょうね。
単なる「主人公の女の子が嫌がらせばかりされて本当に好きな相手と結ばれない悲劇」と捉えてしまうと本作の一面しか見れてない事になります。
登場する女性たちは皆自己の利益を最大化する為に動くのですが、その為には敵の敵は味方として今までの味方を裏切ったりという描写が多く出てきます。
この辺の駆け引きが最大の見どころでしょうね。
実は中盤ちょっと中弛みするパートがあります。
ただそれを経ての怒涛の終盤が凄まじい。
脚本の素晴らしさと共に良いのがやはり俳優陣の演技。
特に宦官や侍女といった末端の役の演技レベルが高いです。
勿論ここ最近のドラマと比べると映像は古臭いしBGMは手抜きが酷いしイケメンも美女もいない。
だからある意味脚本と演技のみに頼ってる作品と言えます。
でもその2点が他を寄せ付けないハイレベルなんですよね。
この作品は目の保養にはなりませんがとっても面白いのは間違いなしです。
PART4に続きます。