2020最新版!中国歴史ドラマを10年見てオススメの作品
PART9からの続きです。
主人公が苦難に耐えて逆転するドラマ
そもそも物語というのは主人公が苦労するのが相場となっています。
いきなり最初から幸せな主人公が登場してそのままずっと幸せでした、では何の感動も生まれません。
小説にしろ漫画にしろドラマ・映画、あらゆる物語では主人公は苦難に陥るものなのです。
最初の頃は主人公が不遇で運命のイタズラや周りからの攻撃、嫌がらせなどで酷い目に遭う。
そうした苦難にめげずに努力してついには成功したり目標を達成したりする。
これが基本パターンですよね。
ここまで取り上げたドラマの中でも
・「宮廷の諍い女」
・「王女未央-BIOU-」
・「ハンシュク」
はこの王道パターンのドラマですね。
中には「傾城の雪」みたいに最初から最後までやられっぱなしでずっと不幸という例外パターンもありますが・・・
今回は不幸の連続からの逆転劇というドラマを2本紹介します。
名家の妻たち~The War of Beauties~
このドラマは結末だけがちょっと投げやりというか違和感があったのが残念ですが総合的には大変面白かったです。
時代的には中華民国期なので歴史ドラマと言うほど古くもないのですが、側室を沢山抱えるところは現代とは違いますよね。
邦題からわかるように舞台は名家です。
製薬所を営む白家の長男が行方不明になって次男が跡取り、主人となります。
主人である乾笙には既に妻が4人もいましたが兄・乾楓の婚約者、采薇を第5夫人として迎える事になります。
つまり一つの家に妻が5人。
その5人が仲良く暮らしたらドラマになりません。
これまでの後宮ドラマ同様、ドロドロ足の引っ張り合い、貶し合い、毒の飲ませ合いが始まる訳です。
本作の特筆すべきポイントはなんと言っても女優陣の演技力です。
特に正妻の馥芳が極悪人なんですが顔が青木さやかに似ているので感想掲示板では
「青木ムカつく」「青木さやか死ね!」のオンパレードでした。
青木さやかの風評被害が半端ない。
中盤以降第6夫人も加わるのですが彼女は一番若くて可愛い割には性格が極悪で演じる女優さんも非常に上手でした。
ストーリー的には采薇が最初に集中砲火を受けるのですが徐々に才知を駆使して何人か味方に付けていきます。
この辺りは後宮ドラマでもよくある手法で味方が裏切ったり敵を引き入れたり離合集散が見どころの一つです。
演出的にはミステリードラマのように「何故そうなったのか?」を回想シーンとして事後にネタバラシするという手法が多用されていました。
中終盤の面白さは必見です。
ネタバレになるので多くは書けませんがぜひ実際に観て楽しんで下さい。
月に咲く花の如く
こちらは「宮廷の諍い女」で一躍有名になったスン・リー(孫儷)が主役。
正直、「宮廷の諍い女」では周りの女優陣の演技が神レベル過ぎてスン・リーはそれ程巧いとは思えませんでしたが、本作では育ちの悪い下品な大道芸人の娘、周瑩を好演しています。むしろこっちのほうが地なのではないかと思う位自然な演技でした。
大道芸人の周瑩はひょんなことから大商家の呉家東院の若旦那・呉聘の妻になります。
彼女は呉家東院の商売仇である沈家の次男である沈星移にも気に入られていました。
一方、裏では商売を巡り貝勒(清朝の皇族)の配下である杜明礼がこの2つの商家をターゲットにして暗躍していました。
主人公・周瑩は物語の最初の方で幸せになるのですがその後不幸のどん底へ。
後は苦難の連続で立ち上がって歩き出そうとする度にまた次の不幸が襲ってきてちょっと見ているのが辛かったです。
周瑩は商才を発揮して呉家東院の商売を広げていきます。
そのアイディアや目の付け所は現代の目から見ても参考になります。
今度こそ上手くいくか?!というところで毎回毎回杜明礼にぶち壊されて視聴者も杜明礼に殺意が湧くレベルですね。
何度邪魔をされても立ち上がり続ける周瑩の姿に感動します。
そして何度フラれても彼女への愛を貫き通す沈星移。
素晴らしい感動作だと思います。
PART11に続きます・・・