「キングダム~乱世の英傑」#1 姫丹/弱者の尊厳
「キングダム~乱世の英傑」#2 白起/最後の審判
「キングダム~乱世の英傑」#3 宣太后/太后の台頭
「キングダム~乱世の英傑」#4 田単/火牛の戦い
「キングダム~乱世の英傑」#5 魏無忌/大梁の教父
「キングダム~乱世の英傑」#6 李牧/国家の敵
「キングダム~乱世の英傑」#7(終) 昌平君/国に背きし者
シリーズファイナルは昌平君です。
ここまでの主人公は大体知ってますが、昌平君については殆ど知らなかったので興味深かったです。
昌平君役は顔を一目見てすぐに分かりましたがビクター・ホァン(黄維徳)です。
「三国志 Three Kingdoms」、「琅琊榜 〜麒麟の才子、風雲起こす〜」、「開封府〜北宋を包む青い天〜」等に出ている名優です。
物語は秦が既に韓を滅ぼして、次いで趙・燕を滅ぼした辺りから始まります。
秦王政が送られてきた燕の太子丹の首級に向かって詰り罵るシーンがまずは印象的です。
長年趙に人質として送られて同じく燕からの人質だった丹とは非常に親しい間柄だったので荊軻を使って自分の暗殺を企てた事に対して憤懣やるかたない思いのようです。
信用してきた人物に次々に裏切られ続けてきた政はどんどん猜疑心が強まっていきます。
さて今回の主人公である昌平君は楚の考烈王と秦の昭襄王の娘の子であります。
秦と楚の複雑な関係は恵文王の頃から続きます。
恵文王の側室だった羋八子は楚人で恵文王の次の武王が急死した後、自分の子で燕で人質になっていた嬴稷を王位に付けて自らは弟の魏冄と共に昭襄王を傀儡として秦を牛耳る事となります。この辺りに関しては【「キングダム~乱世の英傑」#3 宣太后/太后の台頭】で取り上げれましたね。
またこの頃の秦と楚の関係については「昭王」で詳しく描かれています。
昌平君は秦の丞相で秦王の叔父として重用されていました。
楚の攻略にあたり、楚の旧都である淮陽の混乱を鎮める為に昌平君が派遣されます。
そこで楚人が次々に秦兵に殺されるのを目の当たりにして昌平君は秦への恨みを募らせて遂に蜂起。
項燕と共に李信の軍を破ります。
なお、この項燕というのは後に劉邦と共に秦を滅ぼす事になる項羽の祖父です。
その辺りについては「項羽と劉邦 King’s War」を是非ご覧下さい。
結局、最後は多勢に無勢、昌平君は王翦の軍によって殺されました。
楚は滅ぼされて、全国統一を成し遂げた秦もたった二代で滅亡。
秦を滅ぼした西楚の覇王項羽も劉邦に滅ぼされて結局楚は歴史から消滅。
悲哀を感じずにはいられませんね・・
シリーズ全体を通して非常に面白かったです。
前シリーズも良かったですし、これ位の長さが楽に見られて良いですね。
もう70話も80話もあるようなのは疲れるのでこういうオムニバス形式のドラマがもっと増えればいいのになと思いました。