【★★】二つ星「良作。時間に余裕があれば見て欲しい作品」
「孫子兵法」(原題:兵聖)
(コメント)「孫子の兵法」という言葉を知らない日本人はいないと思うのですがその中身となるとほとんどの人は知らないのではないでしょうか?著者の孫武の生涯については謎の部分も多いです。という訳で本作も孫武が呉の闔閭に仕える前の時代についてはオリジナルキャラが出てくるフィクションとなっています。その代り、闔閭の前で女官を調練する有名なシーンや伍子胥が死者に鞭打つシーンなど史実に基づくものもちゃんと見れます。
時代的に「燃ゆる呉越」と繋がっていますので本作を見てから「燃ゆる呉越」を見るとより時代背景もよく理解できます。
佞臣の代名詞と言える伯嚭の両作での違いなんかも見てると楽しいです。本作のほうがより下衆の極みです。
「大秦帝国 縦横(第二部)」(原題:大秦帝國之縱横)
(コメント)前述の第一部がシリアスで重たい内容でしたが第二部はちょっと軽めの演出となっております。映像自体は引き続き暗くて彩度が低いのですが。今回は恵文王と張儀のペアが主人公です。商鞅が法家の代表なら張儀は「縦横家」の代表です。こちらは舌先三寸で立身出世しようとするタイプなので自然とコントぽい明るいシーンが増えて見やすくなっております。恵文王の次が短命の武王で昭襄王が即位するまでを描いています。第三部は「昭王」というタイトルになってますね。始皇帝に辿り着くまで道のりは長いです。
自分は歴史が好きなので楽しめましたが興味のない人にとってのエンタメ要素は低いのでこのような評価としました。
「水滸伝」(原題:水浒传)
(コメント)全86話。日本人の場合「水滸伝」というワードは知っていても話は知らない人のほうが多数派なんじゃないでしょうか?いきなり第1話で心が折れそうになったのですが我慢したらそれなりに面白くなってきました。
「好漢(英雄的な男)が冤罪着せられて流刑になって送られる途中で知らない男と戦って実は自分の義兄弟の友達だった、流刑地で酷い目に遭わされるが義兄弟に助けられる」みたいな展開を何度か人物を換えて繰り返されます。
後はたまにエロい女性に誘惑される系の話も挟みますが。
終盤になってやっと108人が梁山泊に集い反乱を起こそうとしますが、ここから朝廷に帰順しようとして悲劇的な結末を迎えます。
初見はそれなりに面白かったので一度は見て欲しいですね、有名作品だし。
上述の「隋唐演義 〜集いし46人の英雄と滅びゆく帝国〜」とスタッフが同じで出演者もかなり被っています。
ただ面白さは「隋唐演義」の方が上です。
「項羽と劉邦 King’s War」(原題:楚漢伝奇)
(コメント)全80話。「三国志 Three Kingdoms」と同じスタッフでキャストも多くが続投。劉備が始皇帝に、曹丕が胡亥に、袁紹が趙高に、張飛が樊噲に、荀彧が李斯に、呂布が項羽に、魯粛が張良に・・。
最初の内は秦パートと劉邦パートを並行して描きます。史実にある程度忠実にする為仕方がないのですがこの劉邦パートが最初のうちは面白くない。項羽パートも最初の内は面白くない。自分はこのドラマ影の主役は韓信だと思っているのですが彼の登場でやっと面白くなってきます。
最後まで見ても結局面白いのは韓信絡みのシーンだけなんですよね。
韓信がお婆さんに食べ物恵んでもらったり、有名な股くぐりや脱走して蕭何に連れ戻されるシーン、大将軍になるところ、劉邦に「将に将たり」と言う場面、韓信のせいで釜茹でにされる酈食其、「仮の斉王になりたい」と申し出て劉邦を激怒させたり、本作の名場面は鴻門之会と項羽が死ぬシーン以外は全部韓信が絡んでると思います。
最初の20話位我慢して見てくれたら面白くなると思います。歴史を学ぶという観点から言えば見る価値はあります。劉邦は本当に自分が逃げる為に子供を馬車から突き落とそうとしますし、こんなロクでなしでも配下が有能なら天下が取れるということが学べます。
「則天武后〜美しき謀りの妃〜」(原題:唐宮美人天下)
(コメント)「美人心計」から続く于正の美人シリーズ。「宮廷の泪・山河の恋」と違って重さ、暗さは全くなく、気軽に楽しめるエンタメ作品。則天武后が出てきますが史実は完全無視のオリジナルフィクション。ミステリ仕立てになっていて結構面白いです。美人も多いしこれくらいの軽いドラマの方が見ていて疲れなくていいですね。
「琅琊榜 ~麒麟の才子、風雲起こす~」(原題:琅琊榜)
(コメント)謀略がメインの復讐劇。タイプ的には大好きなんですが、やはり主人公の読みが完璧で敵が弱すぎるのがドラマとしてはちょっと盛り上がりに欠けます。なんていうか安心感が有りすぎるんですよね、主人公がボコボコにされすぎるのも見ていて辛いですが本作は逆に主人公側が無敵過ぎてドキドキしないんですよね。「どうせちゃんと手を打ってあるんでしょ?」みたいな感じで。全体を通して綺麗にまとまってるので見て損はしないとは思いますが取り立てて凄いとも言えないんですよね。
「孔子」(原題:孔子春秋)
(コメント)儒教の祖、孔子の一生を描いた作品。まずは芸術的な映像が印象的。ストーリーは孔子の生まれる前から始まり、少年期を2人の友人と共に描いていく。この3人の関係は中終盤まで続く。孔子の弟子の中で最も優秀な子貢が回想するというスタイルで進むが実際の弟子との深い関係については終盤になってやっと焦点が当てられる。春秋戦国時代の有名人の名前は沢山出てくるものの実際に登場するのは斉の景公と晏嬰のコンビ位。たまに学びになる故事や教訓が出てくるものの基本は3人の少年の成長期みたいな話なので孔子の実像を知るという意味ではちょっと不満。エンタメとしては面白くはないが春秋戦国時代をある程度知っている人にはそれなりに楽しめる内容です。
「孤高の花~General&I~」
完全フィクション。架空の国「晋」「白蘭」「燕」「涼」を舞台に女軍師「白娉婷」を巡る二人の男の戦い。
とにかく長い。せっかく4つの国を登場させてるのに結局は2つの国がメインで単なる愛憎劇に収まっている。
だがこのドラマの美人度は恐らく最強レベル。逆にイケメン度はイマイチか。それなりには面白いが初めの期待感程ではなかった。
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本リストは暫定版です。
随時作品を追加していく予定です。