【★★★】三ツ星「佳作。オススメできる作品」
「宮廷の泪・山河の恋」(原題:山河恋·美人无泪)
(コメント)「宮廷の諍い女」の完コピを目指したような作品。恋の玉突き状態から政治状況を絡める構成とか細部までそっくり。皇后がエイダ・チョイというところまで同じというまるで「和民」に対する「魚民」みたいな似せ具合。それでも脚本は凄く凝っていて最後まで飽きさせないところが素晴らしいです。三ツ星ですが四つ星と迷うくらい出来はいいです。
「大秦帝国(第一部)」(原題:大秦帝国)
(コメント)春秋戦国時代に中国の西の果ての野蛮な国として他国から見下されていた秦。始皇帝に至るまでのその六代前から遡り描いていくという作品。1シリーズあたり約50話を当初の計画では6シリーズに分けて制作するというビッグプロジェクト。ちょうど日本では第三部の放送が終わったところです。本国では第四部を撮影中との事。
第一部は秦の君主「孝公」と彼に仕えた「商鞅」の物語となっております。
商鞅と言えば法家の代表格として知られており、秦に法の思想を取り入れて改革を進めていきます。
史実に則しておりこのあたりのお話は非常に勉強になります。
そして商鞅は悲劇の臣下としても有名です。「狡兎死して走狗烹らる」という言葉がありますがその言葉の例として必ず挙げられるのが商鞅なのです。だから今作は最後は悲劇です。
彩度の低い地味な映像ですし、大きな山場があるとかじゃないんですが人間というものの汚い部分、残酷なところがよくわかる佳作です。
「隋唐演義 〜集いし46人の英雄と滅びゆく帝国〜」(原題:隋唐演義)
(コメント)時代的には隋の成立から唐の成立までを描いた作品です。「水滸伝」と同じスタッフ、キャストも沢山被っています。話の作りも「水滸伝」と似ていて「英雄が見知らぬ英雄と手合わせしてみたら共通の知り合いがいて、友達の友達は皆友達だ」みたいな展開が延々と続きます。水滸伝はそれ一本なのに対して本作はそれと平行して隋の煬帝が権力を握る過程を描いています。つまり水滸伝と同じような楽しさと政治ドラマの面白さを1本で2種類楽しめてお得という訳です。
「武則天 -The Empress-」(原題:武媚娘传奇)
(コメント)長いです。82話もあります。それでも中国版より削ってるらしいです。中国当局に拘束されたファン・ビンビンさんが主役&プロデュースです。とにかく金掛かってます。もうキンキラキンです。話はどうでもいいところに話数を掛けて終盤大事なところを駆け足で端折りまくりです。李世民の四人の息子による権力闘争は結構面白かったですが、肝心の武媚娘(後の武則天)周りの話はイマイチかな。女性が多いですが個人的には徐慧を演じたチャン・チュンニンが好きです。後、オープニング曲は中国歴史ドラマの中では本作のものが一番好きです。
「曹操」(原題:盖世英雄曹操)
(コメント)これは評価に困ります。自分的には四つ星なんですが三国志に全く興味のない人が見たと仮定した場合の面白さって二つ星レベルだと思うのです。仕方ないので間を取って三ツ星に。
ある程度三国志の知識がないとちょっとわかりづらいと思います。
先に「三国志 Three Kingdoms」を見た後なら理解しやすいと思います。
自分は曹操が大好きなので「三国志 Three Kingdoms」では扱われてないエピソードも見れて楽しいです。重複する箇所も多いのですが。董卓暗殺未遂~呂伯奢誤殺とかは被ってるので見比べたら面白いです。曹昂・曹安民・典韋が殺されるシーンは衝撃的です。
基本的に本作は心理描写に重きを置いておりセリフはないけど表情で語るシーンが多いです。
配下に対する接し方なんかが見どころです。特に裏の主人公と言えるのが郭嘉であり、この二人のやりとりは見応えがあります。
卞夫人役の人はとってもカワイイですね。