色んな可能性を人はいつの間にか閉じていく。
それは最小限の幸せを守る為に敢えて可能性に目をつぶり耳を塞ぐのだ。
「普通の人」が言う「普通の幸せ」
それは子供の為、家族の為に自分の可能性を殺す事。
逆に言うと「自分の幸せ」を最大化しようとすると、「普通の幸せ」を諦めざるを得ない。
勿論うまく両方手に入れる人もいる。
そういう人は手に入れる順番が巧妙なのだ。
最も「筒井康隆らしくない」作品。
変態・実験小説が多い鬼才筒井康隆の一番「まとも」な小説。
主人公のラゴスは何度も「普通の幸せ」を手に入れるチャンスがありながらそれを拒絶し探求を続ける。
自分はラゴスに共感できたので凄く感動した。
でも「普通の人」はどう感じるんだろう。
幸せから逃げ続けてるように見えるのだろうか?
あなたはどう感じるだろうか?
私は新潮版と徳間版両方持ってます。
20年前の作品なのに2015年急にランキングに入ってきて話題になってるそうです。