(追記:2018/3/11)
今日紀伊国屋書店に行ったらなんと「利己的な遺伝子 40周年記念版」というのが出ていた。
「英国史上最も影響力のある科学書」 第1位だそうだ。
自分にとっても人生で一番衝撃を受けた本なので当然だと思う。
「40周年記念版へのあとがき」が追加されただけなので過去版を持っている人が改めて買う必要はないがまだ持っていない人はぜひこの新装版を機に読んで欲しい。
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私の場合人生を変えた本というのはノンフィクションの3冊である。
幼稚園に入園する前から図鑑や子供向けの科学漫画が好きだった。
中学~高校の頃は小説ばかり読んでいたがやはり価値観を揺るがしたのはフィクションではなく科学の本だ。
自分自身、ずっと独善的で冷たい性格だと自覚していたがそれを正当化してしまう補強材料を得てしまった感じ。
あの小さな昆虫ですら遺伝子を受け継ぐことのみに最適化されていること、よく目にするシングルマザーの彼氏による子供の虐待などが合理的な行動であることなど結構ショッキングな内容でこれまでの道徳観が大きく揺らいだ事を覚えている。
この本を読んだタイミングが丁度ゲーム理論にも興味を持ち始めた時期で、遺伝子の生き残り戦略にもゲーム理論が適用できるという事に大きな感動を覚えた。
この本を読んだ後、自分の冷徹な性格を改める必要はないと確信した。
その一方で遺伝子の生き残りだけを優先するのであれば学問や仕事だけに打ち込むより10代で出来婚するような連中の方が正しいのではないか?とさえ思えてくる。
あらゆる生物の中で唯一遺伝子の戦略に逆らえる存在が人間であると。
勿論それに成功するのは少数派ではあるが。