かなり前に中国歴史ドラマのランキングを作りました。
それから2年近く経ったのであの時点で見たドラマの本数より、それ以降に見た本数の方が多いので改訂しないといけないなと考えていたのですが・・
一つ困った点がありまして、これは別に中国のドラマに限らず欧米の現代の映画にも言える事なんですが、
「一度は必ず見て欲しい!でも自分も2回見るのは辛い」
そういう作品が結構あるのです。
これは主に2つの理由があります。
1.結末を知ってしまうと面白さがなくなる
2.悲劇過ぎて精神的に見るのが辛い
映画でもドラマでも小説でも物語は結末がわかってしまうと2度目はもうドキドキしないものです。
だから1というのはよくあることなんですが、自分が見てきた中国歴史ドラマでは2に当てはまるものも結構ありました。
今回はそういう「1度だけは見て欲しい」というドラマを挙げてみます。
【燃ゆる呉越】
このブログで何度も大絶賛してきた史実に基づく歴史ドラマです。
「呉越同舟」「臥薪嘗胆」という故事成句の成り立ちがよくわかるドラマです。
また「死者に鞭打つ」を実際にやった伍子胥も登場しますし、「狡兎死して走狗烹らる」を最初に使った范蠡も中心人物ですし中国四大美女の一人西施も重要な役どころで出てきます。
この物語では主役の越王勾践が戦で呉に負けてからはとことん悲惨な目に遭い続けます。
日本のアニメで例えると「小公女セーラ」のような感じです。
昨日まで王だった人間がいきなり奴隷になる訳ですから。
見ていただいたら凄い傑作なのはわかってもらえると思います。
ただあまりにも勾践の境遇が気の毒過ぎて何度も見るのは辛いです。
【大秦帝国第一部】
この作品は秦の始皇帝が中国を統一するはるか以前の六代前の君主まで遡り、1シリーズ約50話を6シリーズに分けて描くという10年単位のビックプロジェクトで最近やっと日本でも第三シリーズの「昭王」が見れるようになりました。
ちなみにこの大秦帝国で扱う秦の君主は
孝公~恵文王~武王~昭襄王~孝文王~荘襄王~秦王政
となっております。つまりまだやっと半分のところなのです。
時期的に今人気の漫画「キングダム」と重なる部分も多いのでぜひこの時代に興味を持った人にも見てもらいたい。
今回取り上げたのはその第一部です。
その頃の中国は主に7つの国が覇権を争っていたのですが、西の果ての秦は他の諸国から野蛮な国と見下されていました。そこに君主の座を引き継いだ孝公が用いた商鞅が初めて法の秩序を取り入れて改革を進めていくというストーリーなのですが、国の為に尽くした商鞅の末路があまりにも気の毒過ぎてちょっと見るのが辛いです。
この商鞅の事を前述の范蠡が使った言葉「狡兎死して走狗烹らる」の代表格として挙げる人も多いです。
【傾城の雪】
本作は先に挙げた2作が史実に基づく歴史ドラマであるのに対して時代設定こそ昔になってますが完全なフィクションでジャンル的には「ラブ史劇」の範疇に入るとは思いますが実態はかなりの悲劇となっております。
特に主人公の許婚の妹がとんでもない鬼でこいつのせいでか弱い主人公は常に痛めつけられます。
初見時は非常にドキドキハラハラする展開でドラマとしては高い完成度になってますが、主人公があまりにも痛々しくて気の毒過ぎてなかなか2回見る気力が起きないというところがあります。
以上三作品は是非とも一度は見てもらいたい作品としてオススメします。