何故生物は死ぬのか?
動物学者がフィールドワークをしながら死の根源に迫った本。
まずは樹と蛾の幼虫の戦いについて。
毛虫に荒らされる大樹を見て嘆く人に著者は密かに反論する。
「植物だってやられっぱなしではないと」
実際、樹の方は幼虫にとって毒になる化学物質を生成する。
それだけではない。
幼虫に寄生する蜂を呼び寄せるのだ。
寄生蜂は蛾の種類によって違う。
にも関わらず、ちゃんと今自分を襲ってる蛾に寄生する蜂を呼び寄せる為の化学物質を放出する。
反撃はまだまだ続く。
この幼虫がウィルスに侵されて死ぬように工作するのだ。
このような衝撃的な話から始まり、鳥の死骸がどのように変化して他の動物を引き寄せるか観察したりと非常に興味深い話が満載である。