劉秀が慎重な性格だということだけはよく理解できました。
中国の歴史上、李世民と並ぶ名君だけに粗がない。
そのことがドラマの展開上どのように作用するか・・
(追記:2017/01/26)
第4話まで見ました。
劉秀と陰麗華は意外とすぐに再会しましたね。
ところで陰麗華の少女時代を演じる女の子は上戸彩の若い頃にそっくりです。
陰麗華が誘拐された際、一緒に途中まで逃げた奴婢の丁柔。
どこかで見たことある顔だな?と思ったら思い出しました!
「宮廷の諍い女」で寧貴人を演じてた女優さんですね。あの時は強気な女でしたが今回は徹底して不幸な身の上の可哀想な女の役なのですぐにはわかりませんでした。
せっかく助けられたのにまた違う権力者に取られて完全にモノ扱い。
彼女を愛していた馮異は助け出したいがお上に楯突いたら九族皆殺しになるので出来ない。
丁柔もいっその事殺されようとするのですが、その時どこからか笛の音が。
その音で馮異が以前してくれた「范蠡と西施の物語」を思い出します。
この范蠡と西施の話は「宮廷の諍い女」でも甄嬛と果郡王が小舟の中での逢引の間に話してましたよね。
http://plus.lastscene.com/archives/6724
中国のドラマは歴史の引用が多いのでそういうのを勉強しておくとより一層楽しめます。
特に春秋戦国~楚漢~三国からの引用が多いです。
ちなみに「范蠡と西施の物語」とは何か説明します。
春秋時代に隣国同士である呉と越は戦を続けていました。
そこから「呉越同舟」という言葉が生まれたのです。
呉は孫子兵法で有名な孫武と「死者に鞭打つ」の語源となった伍子胥の力で強大になった。
だが、戦の際に傷を負って呉王闔閭は死んでしまう。
後を継いだ息子の夫差は父の復讐を誓い薪の上で寝た。これが臥薪。
そしてついに越を破り降伏させた。
伍子胥は夫差に越王勾践を殺すべきだと諫言したが、勾践の臣下の文種が呉の太宰である伯嚭に賄賂を贈り、取りなした為、夫差の奴隷となることで命は救われる。
勾践は夫差に従順な振りをしながら苦い肝を毎日舐めて復讐の時を伺った。これが嘗胆。
前述の夫差の臥薪と組み合わせて「臥薪嘗胆」という故事成語になった。
そして夫差を堕落させる為に越で一番の美女である西施を献上。
遂に越は呉を滅ぼし、范蠡は西施を連れて呉越から去った・・・
この逸話は中国の歴史ドラマでは定番中の定番で「三国志 Three Kingdoms」でも出てきます。
この辺りはドラマ「燃ゆる呉越」を見ればよく分かります。
http://plus.lastscene.com/archives/3113
ちなみにその前の孫武と伍子胥の活躍は「孫子兵法」で。
http://plus.lastscene.com/archives/3116
中国の歴史ドラマは教訓になることが多いので楽しいだけではなく為にもなります。
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三国志と言えば後漢末期のお話。
その後漢を興した光武帝とその皇后になる陰麗華が主人公の物語。
主役は陰麗華を演じるルビー・リン。
過去には「三国志 Three Kingdoms」で孫権の妹役、「岳飛伝」では岳飛の妻を演じてきました。
なんと今回の作品ルビー・リンのスタジオが制作してるとのこと。
こんなあどけない顔してスタジオ所有してしかもプロデューサー兼主役。
「武則天」のファンビンビンと同じです。
中国の女優はやり手ですね~ハリウッドスターも資産が増えると俳優やりながらプロデューサーにも名を連ねますが錬金術をよく心得ています。
さて題材となる光武帝ですが中国歴代の君主の中でも完璧過ぎて面白味がないとされてきました。
これといった強敵もいなくて物語とするにはどうも弱いと。
だからこのドラマもラブロマンスとして描いていくみたいです。
今ちょうど「傾城の雪」も見ているのですが、好きな人には振り向いてもらえず興味のない相手から好かれるという恋の糸のもつれ具合なんかは非常によく似ています。ただあちらは完全なフィクション、こちらは一応史実から大きく逸脱する訳にもいかないのでその制限の中でどのように話を展開していくのか楽しみです。
今のところは複数の恋心がどれも成就しそうにないといったもどかしい展開を見せています。