コリントスが過去の恩を訴えたのに対してコルキュラは未来の共通の利益に訴えた。
合理的な思考のアテナイは恩着せがましいコリントスよりコルキュラがもたらす利益を選んだのです。
人間が過去の事柄を考える時は感情的になりがちです。
それに対して合理的な思考とは過去に囚われず純粋に未来の利益だけを考えることなのです。
アメドラ・中国ドラマ・アニメの感想
コリントスが過去の恩を訴えたのに対してコルキュラは未来の共通の利益に訴えた。
合理的な思考のアテナイは恩着せがましいコリントスよりコルキュラがもたらす利益を選んだのです。
人間が過去の事柄を考える時は感情的になりがちです。
それに対して合理的な思考とは過去に囚われず純粋に未来の利益だけを考えることなのです。
恩というのはどこかうっとおしい側面があります。
まるで無理やり背負わされた借金みたいに感じるのです。
それに対して未来の利益というのはポジティブな印象があります。
どちらを選びたいかと言えば答えは明白です。
フォーブスが発表した日本の富豪50人(2013年)からTOP10を抜き出しました。
1.柳井正(ファーストリテイリング社長)衣料 15,035億円
2.佐治信忠(サントリー社長)飲料 10,379億円
3.孫正義(ソフトバンク創業者)IT・通信 8,827億円
4.三木谷浩史(楽天社長)IT 6,208億円
5.毒島邦雄(SANKYO創業者)パチンコ 5,044億円
6.森章(森トラスト社長)不動産 4,850億円
7.滝崎武光(キーエンス創業者)電気機器 4,559億円
8.韓昌祐(マルハン会長)パチンコ 3,298億円
9.高原慶一朗(ユニ・チャーム会長)衛生用品 3,201億円
10.伊藤雅俊(セブン&アイ・ホールディングス名誉会長)小売 2,716億円
大富豪になるには持ち株の価値が高い事が条件です。
アメリカの新聞がWebサイト上に新規購読申し込みフォームを開設した。
当初は以下のような価格を表示した。
Web=10$/month
paper=20$/month
Web上からの申込みということもありほとんどの人がWeb版を購読した。
やり手のマーケティング担当者が紙の購読者を増やす為に価格表に1行追加した。
Web=10$/month
paper=20$/month
web+paper=20$/month
今度は大多数の人がweb+paperを選び、売上が伸びた。
いいですか?最初は単純な金額の比較だった訳です。
10ドルと20ドルの。
次に購読者の心理を混乱させる作戦に出た訳です。
「Webと紙で30ドルのはずが20ドルで済むのか」
「紙は20ドルなのにWeb版に10ドル足すだけで両方見れるのか」
「紙が20ドル、webと紙両方でも20ドルなら両方がお得だな」
ここで留意する点は”web+paper=20$/month”を追加した事により、
”paper=20$/month”が囮になっているということです。
これをアンカリングと言います。
もし仮に
Web=10$/month
web+paper=20$/month
としていたら相変わらずwebだけの方が申込みが多いままだったでしょう。
”paper=20$/month”の存在が購読者の価値判断を混乱させたのです。
このように人間は不合理な判断をしてしまいがちなのでその心理を巧みに利用すればより大きな利益を上げることができるでしょう。
行動経済学でよく取り上げられる実例の一つ。
人間は騙されやすいのです。
「雄牛の重さを当てるコンテストがあって投票された回答の平均値が正解と1ポンドしか違わなかった」
「チェスの世界王者とネット上のチェスマニアの集合知の対決というイベントがありました。
ネット上の人達はみんなで次の1手を討議し多数決で一番多かった手を打つというものです。
残念ながら王者を倒すところまではいきませんでしたが、いい所まで追い込むことができました」
三人寄れば文殊の知恵というのは現代でも通用するみたいです。
トロイアとの戦争が膠着状態になり、ギリシアのオデュッセウスは大きな木馬に兵士を隠してトロイア市内に運び込ませた。
深夜に兵士が出てきてトロイアを占領した。
***
晋の武帝、司馬炎は呉を占領すると心に決めた。
しかしその決意は誰にも洩らさなかった。
呉に講和の使者を派遣し、自分の娘を呉の君主の后にやった。
その後、武帝は軍法会議の席で臣下を集め
「次に攻めるべきはどの国か?」と尋ねた。
当然の事ながら一人の大臣が
「呉を攻めるべきです」と答えた。
武帝は
「呉は我が娘が嫁いだ今や姉妹国なるぞ!」
と烈火の如く怒りこの大臣を処刑した。
その話を聞いた呉の皇帝孫皓は、感動して晋に対しまったく警戒しなくなった。
時期は来たと考えた武帝は20万余の軍勢で一気に呉を攻め込み滅亡させ中国を統一した。
***
「滅ぼしたければ、まず盛んにしてやる。奪いたければ、まず与えてやる」
老子
***
陳が涼に攻め入る前に翡翠と馬を送った。
陳が西涼に攻め入る前に戦車を送った。
***
つまり「奪おうとする時はまず与えよ」
韓非子
奪いたければ先に与えよという原則について実例を挙げました。
孤児院で生まれた作家のピエトロ・アレティーノは友人の画家と彫刻家と共にマントバ公爵に贈り物をばら撒き続けた。
ある時ベネチアの商人の息子が牢獄に入れられた時に公爵に頼んで解放してあげた。
この商人は大変裕福だったのでその後、アレティーノを援助した。
この戦略を発展させてフランス国王、メディチ家、神聖ローマ皇帝カール5世までが彼の庇護者になった。
「わらしべ長者理論」「雪だるま式」「レバレッジ効果」「てこの原理」・・
つまり最初に得たものは小さいものであってもそれを使って次の有用なものを手に入れる。
これを繰り返せばやがてとてもなく大きなものを手にする事ができるということです。
ピエトロ・アレティーノは孤児院で生まれ大した教育も受けてこなかった。
しかしフランス国王フランソワ1世、メディチ家、神聖ローマ皇帝カール5世、教皇クレメンス7世、教皇ユリウス3世と当時のヨーロッパの権力者をこき下ろしたり、大袈裟に褒め称えたりする詩を書いて名声を築いた。
最初は誰でも無名です。
有名になりたければ既に著名な人に喧嘩を売ったり称賛したりしてその人達の知名度を自分の為に活用するのです。
イソウロウグモ類は、どの種も他のクモの網に入り込んで生活する。
入り込む対象となる種は、種ごとにほぼ決まっている。
基本的には網の主が食べないような小さな虫を頂戴している。
しかし、中には網の糸を食べたり、主の子供を食べたり、主を殺して網を乗っ取ったりする凶悪なものまで存在する。
***
つねに善人であろうとする者は、善人でない多くの人びとのなかで破滅さぜるをえない
-ニッコロ・マキアヴェッリ-
全ての生き物の世界には卑怯者が存在する。
卑怯者がいる以上それに対抗する知恵を持たなければ食い殺されてしまうでしょう。
ペルシャ王が二人の囚人に死刑を宣告した。
すると一人がもし助けてくれたら1年以内に王の馬に空の飛び方を教えると言い出した。
王は世界で初めて空を飛ぶ人間になる姿を思い浮かべてその囚人に恩赦を出した。
もう一人の囚人があっけにとられて「ただ死ぬのを1年先延ばしにするだけじゃないか」と彼に言った。