アントニー・バークリーは英国ミステリ黄金時代の作家ですが「アンチ・ミステリ」を標榜し、当時主流だった本格派をおちょくる内容の作品を連発していました。
だから王道作品をある程度読んだ人が読むと新鮮だと思います。
でも登場する探偵が迷探偵だったり、被害者が誰からも憎まれる人間でみんなが加害者の味方したり、その他普通の推理小説ではやらない事ばかりやっています。
この作品では一つの事件に対して六通りの推理が披露されます。
つまり一つの事実に対して何通りでも解釈が可能であるということを示唆しています。
これは究極のアンチミステリです。
冤罪の青年を救う為に真犯人が自分が犯人だと信じてもらうように奔走する話です。
一種のスラップスティックです。
探偵が犯人をかばう為に証拠をねつ造したら自分が疑われる羽目になるという・・
さて以下の作品の中に今回の騒動のようなパターンのものがあります。
一体どれでしょうか?