(追記:2021/3/14)
昔ケーブルTVでS4まで全話見たが残りは見れていませんでした。
なんと6年の歳月を経てアマプラでファイナルS7の最終話まで全て見終わりました。
アメドラも随分沢山見てきましたがやはり本作は「ザ・ソプラノズ」と並んで最高峰に位置すると思います。
何もかも全てが素晴らしいのですが「ザ・ソプラノズ」と共通する演出手法があります。
1つ目は台詞なしで表情だけで心情を表す事が多い事。
2つ目は風景や小物のショットで心理描写をする点。
つまり直截的ではない表現を敢えて用いる事で視聴者に登場人物への感情移入を促してる所が凄いなと思います。
S7EP14(シ-ズン7・エピソード14)最終回で傷心のドン・ドレイパーはセラピーに参加します。
そこで見ず知らずの男の告白を聴いて彼も泣いてしまいます。
何故なら彼の置かれた状況や孤独感はドンが抱えているものと同じだったからです。
名もなき男の冷蔵庫の夢の話・・
自分は冷蔵庫の中にいて時たまドアが開き明かりが点く・・
覗き込む人の笑顔が見えるがまたドアが閉まり明かりが消える・・
誰も自分のことは選ばないし気にもしていない・・号泣する男にドンは近づき優しくハグをしながら自分も泣いてしまう・・
見ていて自分も泣いてしまいました。
視聴者が登場人物に自分を投影できる作品。
誰もが抱える苦しみや孤独を繊細に描いた傑作でした。
***
【アメドラ大事典2】シリーズ
凄く面白いアメリカのドラマを紹介!
【アメドラ大事典1はこちら】
11.アリーmy Love(Ally McBeal)
12.ボストン・リーガル(Boston Legal)
13.Dr.HOUSE(House M.D.)
14.ザ・ホワイトハウス(The West Wing)
15.デスパレートな妻たち(Desperate Housewives)
16.ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア(The Sopranos)
17.マッドメン(Mad Men)
18.ブレイキング・バッド(Breaking Bad)
「マッドメン(Mad Men)」の紹介です。
これも日本で放送した分に関しては全話観ました。
1960年代のニューヨークの広告代理店が舞台になります。
S1の最初はなかなか大きな出来事もなく広告マンの日常が淡々と描かれるのみなので「名作である」という評判を知らなければ途中で見るのを止めたかもしれません。
今作の制作総指揮・脚本のマシュー・ワイナーは前回紹介した「ザ・ソプラノズ」でもシーズン5-6で脚本を書いていました。
ですので演出等で似ている部分も多々感じられました。
このドラマはまず60年代のアメリカの空気感をよく描き出してると思います。
主人公のドン・ドレイパーは業界でも有名なクリエイティブ・ディレクター。
しかも超ハンサム、イケメン。
美人の奥さんがいるにも関わらずしょっちゅう浮気します。
彼だけではなく登場する男性キャストはみんな浮気しまくりです。
男性だけかと思いきや女性も遠慮なく浮気します。
まさにフリーセックスの時代。
乱れまくっています。
さてドン・ドレイパーは有能ではありますが「ある大きな秘密」を抱えています。
その絶対にバレてはいけない秘密を隠す為にどんどん自縄自縛に陥っていきます。
ドン以外の登場人物もそれぞれ悩みを抱えておりそれが悲喜こもごもの人間模様を生み出していきます。
あと美女が多数出てくるので目の保養にもなります。
派手さはありませんが大人のドラマとして非常にクォリティが高い作品です。
3年連続エミー賞・ドラマシリーズ部門作品賞を受賞しています。
こういうドラマは今の日本では決して作る事ができないですね。