孝文王(=安国君)から見れば家族水入らずの感動的再会シーンなんだけど、それぞれの思惑が交錯して微妙な雰囲気。
商君の教えを諳んじて孝文王を感心させる政。
思えば本シリーズは商鞅の物語からスタートしたので最初から見てきた者にとっては感慨深い。
ご機嫌な孝文王から王剣を賜る政。
先日の恨みから刀を持って陽泉君を追い掛け回す政を叱る子楚。
自分達を見捨てた呂不韋を詰る趙姫。
本作では呂不韋と趙姫の出会いについては省略していますが、これは中国人なら誰でも既知だろうという事ですかね?
私は先に「コウラン伝 始皇帝の母」を見てたから理解できてるものの、もし見てなかったらちょっとこのくだりはよく分からなかったかも。
なお「麗姫と始皇帝~月下の誓い~」では政=呂不韋の息子説をかなり意識した演出で「コウラン伝 始皇帝の母」の方はコウランはちゃんと異人(=子楚)の子を産んだという描き方でしたが本作では政を産む前の事は分からないのであくまでも呂不韋と趙姫の言動から推察しないといけませんね。
呂不韋の前で天下統一の野望を明かす政。
【7-9話】
話数の多いドラマにしては意外にもサクサクと話が進む。
安国君は孝文王として即位するものの3日で死去。
少年の嬴政も成人俳優に交代。
子楚は即位にあたり呂不韋を丞相に起用しようとする。
面白くない陽泉君は暗殺を試みるが先手を打たれて失敗。
子楚と呂不韋は華陽太后に邪魔をしないように釘を刺す。
子楚は子傒を要職に就ける事で和解し無事秦王に即位。
西周を滅ぼす。
なんか中国ドラマの最終盤のような駆け足での進行でヒヤヒヤ・ドキドキもなくストレスレスで話が進行。ここでこんなハイペースで進むという事は政が即位するまではダイジェスト的な扱いなんでしょうかね?
【10-12話】
荘襄王の病状が思わしくない事から華陽太后が成蟜を立太子する為に謀を巡らす。
ここで羋氏の二人を保険として呂不韋側に潜入させているところがなかなか思慮深いなと感心した。
荘襄王がついに重体になると華陽太后と陽泉君は趙姫と政を監禁。
助けに来た子傒もまだ王位に未練があり、決断しきれなかった。
その理由の一つとして華陽太后が流した「政は呂不韋の子」という噂があった。
今まで始皇帝のドラマをいくつも見てきましたが全てこの匂わせを取り入れていますが現代では時系列的に否定されています。
陽泉君の配下と蒙驁が率いる軍勢とが宮中で一発即発の状態に陥ったが、政が荘襄王を兵の前に連れ出して無事に事態を収拾した。
ところで前から気になっていたのですが「大秦帝国」シリーズの1~3部までとは画とか演出とか随分違います。辛うじてシリーズ共通のメインテーマBGMが流れてるから大秦帝国だと思えますが殆ど独立した始皇帝ドラマと言っても差し支えない程雰囲気が違います。
あと各シーケンスが不自然なフェードアウトで終わってる箇所が非常に目立ちます。
余韻もクソもあったものじゃないですね。テンポが速くなるのはいいのですが・・
結局華陽太后が呂不韋側に送り込んだ二人は意味があるんですかね?
このまま伏線が回収されないと「チェーホフの銃」になってしまいます。
【13-15話】
話数の多い中国ドラマでここまでサクサク進むのは初めてかもしれない。
昭襄王→孝文王→荘襄王→・・とあっという間に亡くなって遂に嬴政が秦王に。
通常の中国ドラマなら華陽太后+陽泉君の妨害工作を話数を掛けて描くところだろうが(現に「コウラン伝 始皇帝の母」では延々と妨害され続けた)、あっさり二人とも追い出す。
その割には李斯が呂不韋に会うまでに無駄に話数を使ってるような・・
あと太后になった趙姫と呂不韋の絡みは他の始皇帝ドラマと比較すると一番控えめな描写となっている。
1話から一貫してダイジェスト版みたいな進行でキャラクターの掘り下げが少ない。特に政に関しては幼少~少年~青年と3人の俳優を使ってるので性格の一貫性も感じられない。
呂不韋のキャスティングも正直合ってるとは思えず全体的に期待外れですね。
前作「昭王」は結構良かったんですけど。
【16-18話】
李斯が登場してからじっくり描く本来の大秦帝国らしさに戻って来た。
本作シリーズは「君主+外国から来た優秀な臣下」をメインキャストとして描いてきた。
第1部=孝公+商鞅
第2部=恵文王+張儀
第3部=昭王+范雎
第4部にあたる本作は始皇帝+李斯だ。
第1話からダイジェスト版のようにテンポよくサクサクと進んできたがここでギアチェンジ。繊細な心理戦の妙が味わえる。
韓の使者は秦に灌漑工事をさせる事で軍に割く人手を減らそうと画策。
この話を聞いた李斯はすぐに真意を見破られて失敗すると指摘し、あくまでも秦自ら灌漑をやりたがるように持っていくべきだと指南。
一方、趙では秦から太子を人質に出すように要求されていた。
趙の孝成王は太子を人質に出すわけにはいかないと最初は弟の趙偃を送ろうとした。
秦王は趙で人質だった頃に趙偃から迫害されていたので殺したい程の恨みを抱えていたがこの愚か者が趙王に就いた方が攻めやすくなるので太子の逸を人質として出すように圧力を掛けた。
サイドストーリーとしては秦王の母親の太后が史実通りに嫪毐と淫らな関係に。
李斯は見識の高さを呂不韋や秦王に認められる。
この後は李斯を軸に話が続いていきそうですね。
【19-21話】
秦の思惑通り趙偃が趙王に即位。
秦王は趙での人質時代に共に過ごした燕の太子・丹が使節としてやってきたので秦と燕で趙を挟み撃ちにする事で合意する。
秦王が水利工事の視察に出かけた後、縦横家の甘羅が戦わずに城を得るとして趙王を説得。まんまと領地は得たものの燕との約束は反故になる。
燕単独で趙と戦う事になり裏切られた燕の太子・丹は秦王に捨て台詞を残し秦を去る。
この一件が後の始皇帝暗殺未遂の遠因になったみたいですね。
【22-24話】
秦王は燕を裏切る事になった原因である甘羅を自ら切り殺す。
趙姫は嫪毐の子を孕みそれを隠匿する為に雍城に引きこもる。
趙姫が咸陽を離れた隙に勢力を取り戻そうと華陽太后は羋氏の娘を秦王に引き合わせる。
呂不韋は大著「呂氏春秋」を完成させる。
李斯らは呂不韋と太后の権力を削ぐ為に策を講じていますがなかなか大変そうです。
本作の秦王はあまり賢そうに見えないのがどうしても引っ掛かるんですよね~とは言えこれまで見た始皇帝のドラマで賢く描かれてた作品は一つもないんですけどね。
【25-27話】
華陽太后が勧める楚の公女と趙姫が段取りをした斉の公女のどちらを王女にするかで悩む秦王。
結局二人とも娶る事となりどちらかと王女にする事はしない事とした。
趙イツは趙への帰国を強く希望し、秦の方も趙の混乱をもたらすと予想して快諾。
ところが帰国途中に趙偃の夫人により王位奪還の野望を挫かれる。
趙を中心に秦に対抗する合従が計画される。
まだ半分までが遠い・・
斉から来た公女の人どこかで見た事あるような気が・・調べたら勘違いでした。
あと秦王が二人を娶る所を見守る冬儿さんの顔が切ない・・
趙偃の夫人は倡后として悪名を遺すんですよね。
ここから秦VS六国になっていくのかと思いきや斉は参加せず五国みたいです。
妻を娶ったところだし遠方なので斉は差し迫った危険はないんですよね。
じゃあなんで楚は参加してるのかと。芈華を娶った意味ないじゃん。
【28-30話】
秦は五ヶ国連合軍に勝利。
敗走中の燕の太子・丹を捕らえた樊於期は懇願する彼を解放する。
この1件が後の荊軻による始皇帝暗殺未遂の伏線となります。