戦場のど真ん中に舞い降りるヴァイオレット。
そこに瀕死の状態で倒れていたのが依頼主・・っていくらなんでも都合良過ぎじゃない?
依頼主の兵士は両親と恋人への思いをヴァイオレットに託して亡くなる。
約束通り手紙を配達する。
【12話】
ギルベルトの兄・ディートフリート・ブーゲンビリア海軍大佐に自分も作戦に参加したいと志願するものの拒絶されるヴァイオレット。
「もう誰も殺したくない」と非殺を誓った為に苦戦する。
ヴァイオレットに向かって罵るディートフリート。彼女は言い返す。
【13話最終回】
敵に撃たれそうになったディートフリートを庇い片腕が壊れてしまったヴァイオレット。ディートフリートは敵から奪い返したブローチを彼女に返してやる。
橋に仕掛けられた爆弾を取り外す為に残って腕まで犠牲にする。
ディートフリート・ギルベルト兄弟の母親と面会するヴァイオレット。
ディートフリートは「生きて生きてそして死ね。これが最後の命令だ」と言うが、彼女は「もう命令は要りません」と答えた。
皆が自分にとって大事な人に手紙を書く。
ヴァイオレットも一度書こうとして書けなかった少佐への手紙を書く。
今の自分には「愛してる」が少しは分かるのだと・・
【全体の感想】
評判にまごうことなき名作だと思います。
全体の雰囲気は昭和の頃の「世界名作劇場」のようなテイストに感じました。
戦場での武器として育てられ、言葉も知らず感情も薄い少女が代筆という仕事を通して人間の感情を知り、そして自らも失われていた感情を取り戻す。
自分にとって唯一の存在意義だった少佐を失った事実を受け入れてその悲しみや苦しみ、孤独を乗り越えて成長していくヴァイオレットの姿に感銘を受けました。
娘を失った戯曲家に同情の念を覚える7話、まるで最終回のような9話、そして死を目前に幼い娘に愛を伝える母親の姿を描いた10話は感動のピークでした。
一貫して主人公ヴァイオレットにフォーカスを当て毎回の登場人物もあくまでも彼女の成長に影響を与える為に配されてるという構成は見てる側が彼女の心情の変化に没入できて良かったと思います。
***********追記***********
テレビアニメシリーズを全話見たので、OVAと劇場版2作を順次見ていく事にします。
【OVA】
オペラ歌手イルマから手紙の代筆依頼と思いきや中身もお前が考えろと言う完全に創作の依頼。
これ本編を全話見た後に見ると凄く違和感があるのですが、時系列的には第4話と第5話の間に位置するそうです。
道理でまだ軍人みたいな文章しか書けずイルマをビックリさせます。
代筆ではなく新作オペラの歌詞の作成依頼だと判明し、C.H郵便社一丸となってヴァイオレットに協力することに。
オペラの指揮者であるアルドに歌詞を見せるがこれではイルマが納得しないと言われる。そしてイルマの稽古を見学。アルドは今回ヴァイオレットに依頼したのは育成学校の教官ローダンセの推薦があったからだと明かす。
ヴァイオレットは少佐の話を、イルマは恋人フーゴの話をする。奇しくも二人とも大事な人を戦場で失っていた。
行き詰っていたヴァイオレットに配達員ローランドは戦争で宛先人・送り主とも不明になった手紙の山を見せる。そこには相手への愛の言葉が綴られていた。
ここまでの経験を元に歌詞を書き直したヴァイオレット。
イルマはこれこそ自分が欲しかった歌詞だとヴァイオレットに感謝の言葉を伝える。
いや~これOVAって勿体ないですね(お金払ってる人への特典だから良いのか‥)。本編の10話の次位に良いエピソードです。