日本の情報産業のパイオニアであるリクルートの創設者である江副浩正氏の半生を描いたドキュメンタリー。
リクルートは日本の社会に大きな影響を与えたが創始者である江副浩正さんはリクルート事件で大変苦労された。
最後JRの駅で転倒して亡くなられたのは知らなかった。
まず非常にインパクトがあったのはリクルートが就職情報誌でヒットを飛ばした後、ダイヤモンド社が同じジャンルに参入を計画してることを知り、江副はアポなしでD社に乗り込み社長に会わせてくれと頼むシーン。
D社の社長に「参入を中止してくれ」と頼み、相手を呆れ返させる所は江副氏の狂気にも近い熱意を感じさせる。
次に興味深かったのがバブルが弾けてリクルートコスモスが巨額の赤字を背負い、親会社共々破綻の危機に瀕していた頃の話。
ダイエーの中内功オーナーにリクルートを買ってくれと直談判し、細かい事も金額も決めずに即決でOKを出した中内氏の胆力に驚かされる。
しかも当時は株価の下落で江副氏は個人的にも100億単位の損失を抱えていて、その後の離婚やリクルート事件の判決に纏わるエピソードなど当時の新聞や雑誌だけでは知り得なかった情報が数多くあって読んでいて退屈することは一切なかった。
一代で巨大産業を築いた天才の人生の側面を知れる本です。
オススメです。