超一流になるのは才能か努力か?-読書感想

超一流になるのは才能か努力か?-読書感想

生まれながらの頭の良さが左右するという根強い意見にも否定的だ。
ノーベル賞受賞の科学者や数学者にはIQが120位の人間が多く、飛び抜けて高IQである人は少ない点を指摘。
また知的競技と言われるチェスや囲碁のチャンピオンは特にIQが良い訳ではないのを実際のデータを元に明らかにしている。

この他にも天才と呼ばれたモーツァルトが5歳で作曲したと言われているのは実は父親の作である可能性が高く、本人の本当の作は15~6歳であろうと推測。

天才ヴァイオリニストと称されたパガニーニの逸話に対するカラクリの見破り方も面白い。

“パガニーニが演奏していると弦が1本切れた。観客が不安そうに見ているとまた1本切れた。
気にも留めずヴァイオリンを弾き続けるとまた1本切れてとうとうG弦しか残ってないが見事に最後まで演奏した。”

この前にパガニーニは好きな女性の為に弦2本で弾いたり、ナポレオンの妃の為に1本だけで演奏することに慣れていた。そこで1本だけでも演奏できる曲を作りわざと自分で弦を切っていって観客の注目を集めたのだと。

この本では随所に「心的イメージ」という言葉が出てくる。
これが一流になる為に重要であると。

チェスのトッププレイヤーに実際の棋譜をみせるとすぐに覚えて再現することができる。
だが出鱈目に置いた図だと記憶力は普通の人と変わらなくなる。
つまり「意味づけ」をする事で記憶しているのである。

ベテランの医師より新人の方が最新の医療技術に詳しい。
生まれた子供を全員チェスの名選手に育てた夫婦の話。

様々なエピソードを元に努力を続ける事こそが成功の秘訣であることを教えると共に生まれながらの才能という神話を悉く否定していく。

サヴァン症候群の人が見せる特殊な才能についてもあくまでも一つの事に集中して取り組んだ結果開花したものだと断言している。実際に「カレンダー計算」と呼ばれるランダムな年月日の曜日を言える能力についても一般人でも特訓すれば同じレベルの能力を獲得できることを実験で証明している。

このように全ては費やした時間と効果的な改善方法が重要なのだと教えてくれる。
エビデンスを伴った主張なので説得力があり誰もが最初から諦めるべきはないことを改めて思い知らされた。

何かを極めようとして諦めてきた人にぜひ読んで貰いたい。