日本人でムーミンを知らない人はいないと思うのですが、その作者についてはあまり知られてないのではないでしょうか?
一応実在の人物を題材にしてるのである程度は事実に即して描かれてるとは思うのですが、だとするとトーベ・ヤンソンってかなりぶっ飛んでる人ですね。
売れない画家だったトーベは出会ってばかりの男性を自分から誘ってやっちゃうわ、不倫はするわ、女性同士で関係持つわ、かなり性的に奔放な方のようですね。本作はそういうトーベの激情を描くところに注力していて、ムーミンはたまにスケッチで出てくる程度です。
でもレズの相手に「ミムラってあなたね?」って言われて「そう!わかる?」と答えた所から作者が自身を投影してるキャラクターがミムラという事が分かります。
家賃を払うのもままならないトーベはムーミンの漫画を新聞向けに書くことでやっと困窮から逃れる事ができました。
自由奔放だった恋愛関係から安定した関係を求めるようにトーベの心境も変化していきます。
特にストーリー的に劇的な何かがある訳でもないのですが、トーベの変化(及び決して変わらない所)がよくわかる作品です。
なおムーミンの事はほとんど分かりません。