和田裕美さんの本はたまに読むのだが流石実績のある人は説得力が違う。
今回は業種別にクロージングの具体例を挙げているのだが
・生命保険
・不動産(分譲マンション)
はよくある事例であり普通の営業パーソンがなかなか切り込めない部分であるので非常に参考になる。
生命保険では既に友達から入ってる人に見直しを勧めるケースであるが
「解約すると友達との縁が切れると思いますか?」とズバッと尋ねている所が素晴らしい。
ここまで踏み込むのはなかなか勇気がいるが実際一番ネックとなるところを顧客自身に考えさせるという視点は重要なのだと再認識した。
分譲マンションの営業では受験を控える娘さんの為に自分の部屋を与えたいという父親がローンを組む事を身内から反対されているシチュエーションである。
「もう少し探せばもっと良い物件が見つかるかも」
「身内からの反対で踏み出せない」
と逡巡する客を本来の目的「娘に部屋を与えたい」に再びフォーカスさせて一番大事な目的は何なのか?そしてそれは身内の反対と比べてどちらが大事なのか?を考えさせるところが素晴らしい。
そして受験の為であるならば一日でも早く決断した方がいいと背中を押す事も忘れない。
これらのように成程と感嘆させられるものもあれば今まで1000円の化粧品を使ってた人に1万円の高級品を勧めるケースはちょっとツッコミどころがあるかなとも思った。
歯科医のケースもよくある話だがこれで本当に上手くいけば苦労しないような気もする。
全体を通して「お金の事」を切り離して考えてもらうという手法は全てのセールスパーソンが頭に入れておくべきだろう。そうやってまずは他の障害を全部潰して最後に支払いの問題を解決する。
スポーツジムの入会のクロージングでは「時間がない」というよくある断り文句の潰し方が書いてある。
これは全ての業種で使える。
この本はクロージングで大事な視点や考え方を再認識させて貰える内容で現在営業成績が上がらず苦しんでる人はぜひ読んでみたら参考になると思う。