アベマの一気見で視聴。
「魔法少女まどか☆マギカ」の虚淵玄原案・脚本によるオリアニ。
TVアニメは3期まであるが脚本や制作会社が異なっており1期だけ評価が高い。
人間の犯罪係数を測定できる「シビュラシステム」に管理された近未来が舞台。この設定はあながち絵空事とも言い切れなくて実際現在の中国では「社会信用システム」というものが導入されて全国民がランキング化されており迷惑行為を行うとスコアがダウン、一定のランクより下がると旅行もできなくなるという恐ろしい世界が実現している。
本作においては実際の犯罪歴だけではなく性格そのものまで犯罪性向があると見做されたらまだ犯罪を起こしてなくても事前の予防措置として処罰される。PSYCHO-PASSは2012年に初回放送だが今の日本の状況から見れば犯罪性向の人間を予め社会から排除するという思想が実際に出てきてもおかしくない。
この思想の危険性というのが本作では描かれる。つまりまだ犯罪は犯してないのに犯罪性向と見なされるだけで処罰されるのなら本当に犯罪を犯してしまえと暴走する人間が現れる。そしてこのようなシステムを執行する体制側の人間に反抗する集団が次から次へと発生してしまう。
この二極化する社会はフィクションの世界ではなく現在進行形で進んでいる今の日本の社会そのものだ。
そして物語中盤から槙島聖護というラスボスが登場。彼は凶悪犯なのに「シビュラシステム」から一切犯罪係数を測定されない免罪体質者である。
知能も格闘能力も凄い彼が取り締まる側の主人公サイドを追い詰めていく・・
残忍なシーンも多いがストーリーは面白い。
作画自体は最新のものと比べるとちょっと古臭い。
最後はもっと捻って来るかと予想したが割と素直な終わり方だった。
執行官・狡噛慎也と監視官・常守朱の正義に対する捉え方が真逆であくまでもマキシマを逮捕しようとする常守と殺そうとする狡噛の対比が終盤の見所。
それにしてもストーリーの出来の割には作画レベルがどうなの?と思ってしまう。キャラデと作画のせいで愛着を覚えるような作品ではなく(そもそもヘビーな内容だし)1回見ればいいかな。