今世界はアメリカの4つのIT企業に牛耳られようとしている。
その4社とは・・
Google、Amazon、Facebook、Appleである。
本書はまず、この4社を個別にその特性、強み、将来性を分析する。
そして後半ではこの4社に続く企業、uberとか中国のアリババなどを取り上げる。
その後こういったIT企業に支配される世界で我々はどう生きるべきかを考えていく。
この4社は最近まとめて取り上げられる事が多いが、これにマイクロソフトを足してBIG5とすることもある。
私は実力的にはこの4社は必ずしも同レベルとは思っていない。
まずTOPを争うのはgoogleとAmazonだと考える。
Googleはご存知のように検索をほぼ独占しているだけでなくAdwords広告で高い利益を上げている。
Gmail、Google Drive、Google Mapや翻訳など日常お世話になっているサービスも多いし、Android OSはAppleのiOSとスマホの世界を二分している。
子会社も優秀でAIの分野ではAlphaGoが世界No1の囲碁棋士を完膚なきまでに叩きのめした。
YouTubeは今更言うまでもなく、世界中の人々が毎日見ている。
これらを総合的に考えるとBIGのTOPはGoogleと考えて良いだろう。
それに迫るのがAmazonだ。
今ではこの会社が「オンライン書店」から始まった事を知らない人もいるだろう。
何しろ今やどんなものでも売っている。
通販では厳しかろう生鮮食品にまで領域を広げている。
あとAmazonPrimeユーザー向けにオリジナルコンテンツの制作もしている。
そしてとうとうオンラインの世界からオフラインの世界へ進出しAmazonGoというリアル店舗まで出店した。
しかもこの店はレジがなく、好きな商品をそのまま自分の鞄に入れて帰ればいい。
客の動作はカメラとセンサーで常時トラッキングされ、何を手にしたか全て把握される。
単純労働の人件費が高騰している時代にまさにピッタリのシステムである。
またAmazonはオンラインショッピングだけではなくAWSというクラウドサービスでも圧倒的シェアを持っている。
スマートスピーカーAlexaと合わせて技術力もなかなかのものである。
これらの点を考えればgoogleの最大の敵はAmazonだと言えよう。
この2社と残りの2社ではちょっと差があるように思える。
Appleは確かにiPhoneで多くの人に利用されているが、Androidを使う人には全く関わりがない。
逆にiPhoneを使う人でもGoogleのサービスは沢山使われている。
要はAppleの世界の外にいる人にとっては全くなくても困らない存在というのが弱さだと言えよう。
最後にFacebookである。
確かに世界中の多くの人に使われてはいるが、まずはメインの年齢層が上がっているのに対して若者がどんどん離れていってる。その上昨今の顧客データの流出問題で信用は大きく失墜した。
instagramやWhatsAppを買収していなければFacebookの価値はかなり小さなものになったであろう。
逆に言うとこれらの若者に人気のSNSのおかげで時間稼ぎができているとも言える。
このような巨大IT企業が世界中の企業を消し去っていく状況においてあなたの会社は生き残る事ができるのか?
本書を読んで考えてみて欲しい。