君主論の新版が出ていた。
翻訳がこなれて非常に読みやすい。
ところでマキャベリズムという言葉として歴史に名を残したマキャベリであるが、権力を維持し続ける為の素養を詳らかにした功績は大きい。
政治家志望の人は勿論、経営者もぜひ読むべきである。
“民衆というものは、やさしく扱ってやるか、徹底的に叩きつぶすかのいずれかである”
“君主足らんとするものは、種々の良き性質をすべて持ち合わせる必要はない。
しかし、持ち合わせていると、人々に思わせることは必要である”
“個人の間では、法律や契約書や協定が、信義を守るのに役立つ。
しかし権力者の間で信義が守られるのは、力によってのみである”
“我々の経験では、信義を守ることなど気にしなかった君主のほうが、偉大な事業を成し遂げていることを教えてくれる”
“恩恵は、人々に長くそれを味わわせるためにも、小出しに施すべきである”
“結果さえ良ければ、手段は常に正当化される”
“人間というものは、危害を加えられると思い込んでいた相手から、親切にされたり恩恵を施されたりすると、そうでない人からの場合よりずっと恩に感ずるものである”
まるで曹操は君主論を読んでいたのではないかと思う位である(笑)
古今東西人間の性質などそうそう変わるものではなく、共通の真理というものがある。
「孫子兵法」と共に読むべき戦略論でもある。