スティーヴン・スピルバーグ監督のTV向け映画作品。
これより前に撮られたのは刑事コロンボの「構想の死角」位なのでほぼ処女作と言って良い。
商談の為、砂漠地帯のハイウェイをドライブする主人公。
前をトロトロ走る燃料を積んだ大型のトレーラートラック。
追い越そうとするも何度も遮られる。
なんとかしてやっと追い越したものの今度は猛スピードで追いかけてくるトレーラー。
この辺から尋常ではない恐怖感が観てる者にも伝わってきます。
そして後ろから追突してくるトレーラー。
明確な悪意というか殺意を感じて一気にパニックに陥る主人公。
途中、ドライブインに逃げ込んで一息ついたのも束の間、なんとトレーラーもいつの間にか店の前に停めてある・・ということは店内にいる誰かが自分の命を狙う運転手?
この緊迫したシチュエーションがヒッチコックばりで怖いです。
精神的に追い込まれていく主人公。
人違いで無関係な人に喧嘩を売ったりと恐怖のあまり主人公の精神は破綻していきます。
さてこの後も恐怖は続くのですが、見てる方としては「最後はどうなるのか?」「どうしてトレーラーの運転手はこんな事をするのか?」という疑問に対する答えを待ち望みながら見続ける訳です。
あっというどんでん返しが用意されているのだろう・・・という期待でワクワクドキドキしながら。
でもなんの捻りもあっというどんでん返しもなく終わる・・
最近の映画の脚本では考えられないラストがある意味新鮮でした。