明日の幸せを科学する-読書感想

すっかり早川書房の回し者みたいになってるが本当に文庫化する本のチョイスが素晴らしい。
自分好みの本ばかりをこんなに揃えてくれてる文庫シリーズは他にはない。

本書も興味深い実験の逸話をベースに論理を展開しているので腑に落ちる。
この手の本はアメリカ人かイギリス人の本しか買わない事に決めている、というか絶対に日本人の本は買わない。
情報量が圧倒的に違うのだ。

さて気に入ったエピソードがいくつもあるのだが少し紹介する。

被験者を2つのグループに分けて電気ショックを与えるという実験。
Aのグループ=強いショックを20回与える
Bのグループ=弱いショックを17回と強いショックを3回与える

この結果が実に興味深い。
なんとBの方が心拍数が上がって呼吸も大きく乱れたのだ。
つまりAは全てが予期できる痛みなのに対して、Bは弱いショックか強いショックかわからない。
その予測できないというところが精神的・肉体的に負担になるのだ。

老人ホームで行われた実験結果も示唆に富む。
老人の部屋に観葉植物を置くのだが
Aのグループ=老人自身に水やりなどの世話を任せる
Bのグループ=世話はスタッフが行う

すると半年後、Bの死亡率が30%だったのに対してAは半分の15%だったのだ。

更に実験は続き、若いボランティアが老人の話相手として訪問する。
その際に
Aのグループ=老人自ら日にちを指定できる
Bのグループ=ボランティアの都合の良い日に来る

すると前述の観葉植物の場合と同じく自分でコントロールできるAの方が幸福感も健康状態も上だった。

そしてこの実験には残酷な後日談がある。
それについては是非実際に本を読んでみて欲しい。

他にも心理トリックを用いた誰にでもできるトランプマジックやクイズなど日常に他人に使って楽しませる事の出来る小ネタがいっぱい載っていて本の代金なんてすぐに回収できる。

これは本当にお得な本である。