カッコウの托卵: 進化論的だましのテクニック-読書感想

子供の頃の自分にとってカッコウは静かな湖畔の森の陰にいる鳥でしかなかった。
それは単なる輪唱の象徴。
ところが寄生動物に興味を持ち始めて以来、カッコウは卑怯者の代名詞となった。

カッコウはヨシキリなどの宿主の巣に卵を産み付ける。
カッコウの雛は宿主の本当の雛よりも早く孵る。
そして驚くべき事にその雛は宿主の卵を背中に上手く載せて巣の外に放り捨てるのだ。

憐れなヨシキリはそんな事とはつゆ知らずせっせとカッコウの雛を育てる。
カッコウの雛はあっという間に宿主の親鳥の数倍の大きさになるにも関わらず餌をねだり続ける。
自分とは似ても似つかぬ赤の他人であるこの厚かましいカッコウに餌を届け続けるヨシキリ。

ところでヨシキリが自分の卵を全滅させられてカッコウだけを育て続けるような愚かな鳥であるならば絶滅してしまうはず。当然ここに宿主と寄生者との軍拡競争がある。

私は他の本でカッコウについてはある程度知っていたので目新しい情報はさほどなかったが、カッコウの生態を知らない人にとっては驚きの連続であろう。

ドイツで父親と子供の遺伝子の繋がりを大規模に調査したら約3割の子供は遺伝子の繋がりのない赤の他人だったという。人間でも油断していると他人の子供を知らず知らずのうちにせっせと育てる羽目になってるかもしれない。

浮気は男性がするものと思っていると痛い目に遭いますよ。

遺伝子について少しお話ししました。